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ヴァシュロン・コンスタンタン「オーバーシーズ・トゥールビヨン チタン」:青き海原に舞う、軽やかな機械の詩

2019年、ステンレススチールケースに青文字盤を纏ったヴァシュロン・コンスタンタンスーパーコピー「オーバーシーズ・トゥールビヨン」(Ref. 6000V/110A-B544)が登場し、ラグジュアリースポーツウォッチ界に静かな衝撃を与えた。その“青”はあまりにも美しく、「業界最高のブルー」とまで称された。
そして2024年、同社はさらに一歩先へ踏み出す。
素材をGrade 5チタン(Ti-6Al-4V)に変更し、重量を168gから111gへと約34%軽量化した新作 「オーバーシーズ・トゥールビヨン チタン」(Ref. 6000V/210T-H032)を発表したのだ。
これは単なる素材変更ではない。着け心地と視覚的純粋性を追求した、現代的なラグジュアリースポーツウォッチの到達点である。
🌊 青盤の真髄:半透明漆仕上げと天鵞絨の刻度
本作最大の魅力は、やはりその青文字盤だ。
表面には半透明のブルー漆が塗布され、下地のサンレイ仕上げ(旭日紋)と相まって、光の角度によって深海のような陰影を生み出す。これは単なる色ではなく、光と影が織りなす動的なアートだ。
さらに注目すべきは、外周の分表示リング。ここにはベルベット調(天鵞絨質感)の処理が施されており、光を吸い込むような質感が、青盤全体の奥行きを際立たせている。
インデックスと針は18Kホワイトゴールド製で、夜光材としてブルーのSuper-LumiNova®を塗布。実用性と美しさを両立している。
⚙️ 6時位置の“馬耳他十字”トゥールビヨン
トゥールビヨンは6時位置に配置され、そのキャリア(フレーム)にはヴァシュロン・コンスタンタンの象徴である馬耳他十字が精緻に彫り込まれている。
小秒針はこの十字の中心に取り付けられ、ブルーの焼付ネジでアクセントを加える。正面からも裏蓋からも鑑賞可能なこの機構は、単なる精度補正装置ではなく、可動するブランドロゴとしての役割も果たしている。
🪶 チタンによる革命的な着け心地
Grade 5チタンは、航空宇宙産業でも使われる高強度・低密度の合金。ヴァシュロン・コンスタンタンはこの素材を、ケース・ベゼル・ブレスレットまで完全一体で使用している。
驚くべきはその仕上げの多彩さだ:
ベゼル外周:サンドブラスト(マット)
ベゼル中央の馬耳他十字:サークルヘアライン(ラバーブラシ仕上げ)
ケース側面:垂直ラバーブラシ
これら異なるテクスチャーが複雑に交錯しながらも、全体として統一感のある上品な輝きを放つ。これは、チタンという難加工素材に対して、同社が持つ超高度な研磨技術の証左でもある。
重量はわずか111g。42.5mmという大径ながら、手首に“存在しない”かのような軽さを実現している。
⚙️ 超薄型自動巻きムーブメント Cal. 2160
心臓部には、外縁式マイクロローター(ペリフェラルローター)を採用したCal. 2160自動巻きムーブメントを搭載。
この構造により、ケース厚を10.39mmに抑えつつ、トゥールビヨンを含む複雑機構を収容。さらに、広いスペースを確保できたことで、大型のメインバレルを内蔵し、80時間(約3日半)という長大なパワーリザーブを実現している。
振動数は2.5Hz(18,000 vph)。低振動数ゆえの滑らかな秒針の動きは、トゥールビヨンの回転と相まって、独特の穏やかなリズムを奏でる。
裏蓋はサファイアクリスタル製で、日内瓦条紋、魚鱗模様、鏡面ポリッシュされたネジなど、ジュネーブ・ホールマーク(Poinçon de Genève)基準を満たす至高の装飾が堪能できる。
💧 実用性とのバランス:50m防水という選択
スポーツウォッチとしての見た目を持つ一方で、防水性能は50mに留まっている点は留意が必要だ。これは、トゥールビヨンの精密な機構を保護するための設計上の妥協ともいえる。
ただし、日常的な水濡れや雨天での使用には十分対応可能であり、あくまで“スポーティエレガンス”としてのポジショニングを明確にしている。
💰 価格と総評:124万人民元の価値
中国市場での公定価格は1,240,000元(日本円換算でおよそ2,700万円前後)。これは、単なる時計ではなく、“チタンで作られた高級工芸品”としての価値を反映したものだ。
編集部コメント:
ステンレスモデルの青盤が“クラシック”なら、このチタンモデルは“モダン”。
軽量性、素材の革新、そして比類ない青文字盤——。
ヴァシュロン・コンスタンタンは、オーバーシーズに新たな伝説を刻んだ。
これは、手首に巻くことのできる、究極の快適さと美の融合体である。

チューダー「ブラックベイ・クロノ カーボン25」:ロレックスが引いた線を、自ら越える

チューダー「ブラックベイ・クロノ カーボン25」:ロレックスが引いた線を、自ら越える
「Born to Dare(生まれながらにして大胆である)」――。チューダーが掲げるこのスローガンは、単なるキャッチコピーではない。むしろ、ロレックスが踏み込まない領域を、自ら切り開くという覚悟の表明だ。
その最新の証が、2025年に登場した限定モデル 「ブラックベイ・クロノ “カーボン25”(Ref. M79377KN-0001)である。これはF1とのパートナーシップを象徴するだけでなく、チューダーが現在到達した“新たな高み”を示す、画期的な一本だ。
F1との絆:ロレックスコピーが去り、チューダーが残る
2025年、ロレックスは長年のパートナーだったF1を離れ、代わってタグ・ホイヤーが公式タイムキーパーに就任した。しかし、F1の世界からロレックスグループが完全に姿を消したわけではない。
チューダーは引き続き、Visa Cash App RB F1チーム(旧スクーデリア・アルファタウリ)と提携。そして、その関係を記念して生まれたのが、この「カーボン25」だ。
名前の「25」は2025年限定、「2025本限定」のダブルミーニング。F1マシンのカラーリング——青と白のコントラスト——は、そのまま文字盤の配色に反映されている。
超軽量カーボンケース:77.5gという驚異
最大の注目点は、一体成型のカーボンファイバー製ケースだ。
42mm径・14.3mm厚と見た目は存在感があるにもかかわらず、実測重量はわずか77.5g。これは同サイズのステンレスモデルの約半分以下の軽さで、着けていることを忘れてしまうほどの快適さを実現している。
ケースとベゼルは多層カーボンシートを高温高圧で成形。表面には独特の繊維模様が浮かび上がり、工業的でありながら有機的な質感を醸し出す。
さらに、リューズ・プッシュボタン・裏蓋はブラックコーティングされたチタンを採用。軽量化と耐食性を両立させている。
ディテールに宿るF1魂
文字盤は、ブラックベイ・クロノの伝統的な「パンダダイヤル」をベースに、F1仕様へとアップデート。
2つのカウンター(30分・12時間)はカーボンファイバー製。
6時位置の日付窓枠も同素材で統一。
外周の青色スケールは、通常モデルとは異なる細かい目盛りで描かれ、スピード感を演出。
ストラップはF1タイヤのトレッドパターンを模したラバーストラップを採用。縫い糸はチームカラーの青で、バックルもカーボン製。さらに、ケースとストラップの接続部には脱着可能なカーボンカバーが装着されており、NATOストラップへの交換も可能だ。
MT5813:チューダーが磨き上げた“B01”
心臓部には、MT5817(正確にはMT5813)自動巻きクロノグラフムーブメントを搭載。
これは、ブレゲット・B01をベースにチューダーが独自改良を加えたもので、以下の特徴を持つ:
柱状歯車(コラムホイール)+垂直クラッチ方式
シリコン製ヒゲゼンマイ
無カース遊絲振り子
動力備蓄70時間
精度:+4 / -2秒/日(チューダー独自基準)
裏蓋はチタン製で、F1マシンのシルエットと個別限定番号が刻まれている。
価格と市場評価:6万円台で手に入る“ハイエンド体験”
中国市場での公定価格は59,600元(日本円換算でおよそ130万円前後)。この価格帯は、オメガ・スピードマスター、IWC・パイロットウォッチ・クロノグラフ、ブレゲット・トップタイムと競合する領域だ。
かつて3~4万円台で親しまれてきたチューダーが、今や6万円を超えるモデルを堂々と展開し、しかも市場で人気を博している事実は、ブランドのポジショニングが確実に上昇していることを示している。
編集部コメント
「ロレックスがやらないから、チューダーがやる」――この一文が、現代チューダーの本質を最も端的に表している。
セラミックベゼル? ロレックスは出さないが、チューダーは出した。
カーボンケース? ロレックスは敬遠するが、チューダーはF1と共に作り上げた。
「カーボン25」は、単なる限定モデルではない。それは、ロレックスの影から完全に抜け出し、自らの道を切り拓くチューダーの独立宣言そのものだ。
軽量、高性能、そして圧倒的なデザイン力。この一本に込められたのは、“生まれながらにして大胆である”という、真の意味での自信なのである。